2014年11月1日土曜日

ももとせまでの月影を見ん

ホールインワン 

10月26日、兵庫県三木市のマスターズGCで行われた国内女子ツアー(2014年NOBUTA GROUP マスターズGCレディース)の最終日、吉田弓美子選手は17番ホールの第1打を打った瞬間、「入れー!」と大声で叫んだ。めったに見ることがないふるまいであったが、ボールはカップの1m手前でワンバウンドし、次の瞬間なんと本当に入った。周囲は騒然となり、吉田選手もはじけたように狂喜した。
このとき、解説の岡本綾子氏が絶妙のコメントを発した。興奮して「コトダマだぁ!」と言ったのである。
言霊(ことだま)、日本人のはるかな先祖から受け継いだ古い用語であるが、口に発した言葉には霊力が宿るという、まさしくその名にふさわしい出来事であった。
まだ文字を使用する以前、人々は共同して何かを作り上げる際、まずは言葉を交わしてするべきことを確認しながら作業にあたったはずである。
何もない状態から始まって、言葉として発したこと(目に見えない空気の振動)が、その後なんらか物質的な形を伴って立ち現れることになる。
口から発した言(こと)と実現した事(こと)が照応するわけで、このようなことから言霊(ことだま)という概念が生まれることになったのかもしれない。


ももとせまでの月影を見ん      

縁起のよいもの、よくないもの、さまざまな言霊があったはずだが、日本人は勤めて言霊からよい効果を引き出そうとしていたように思う。
平安時代の歴史物語の「大鏡」には次のようなくだりがある。
 この(醍醐天皇の)御時ぞかし、村上(天皇)か朱雀院かの生まれおわしましたる御五十日の餅、殿上に出させたまへるに、伊衡の中将の和歌つかうまつりたまへるは
 とて、覚ゆめる
  ひととせに こよいかぞふる 今よりは ももとせまでの月影を見む
とよむぞかし。 御返し、帝のしおはしましけむかたじけなさよ

  いわひつる言霊(ことだま)ならば ももとせの後もつきせぬ月をこそ見め
御集など見たまふるこそ、いとなまめかしう、かくようのかたさへおはしましける。
醍醐天皇の皇子が生まれて50日めのお祝いのとき、藤原伊衡が生まれたばかりの赤児になったつもりで、今から100歳まで生きてやるぞ、という決意の和歌を進呈したところが、帝は、どうせお祝いのまじないならば、100歳を超えてさらに生きてみようぞ、くらいの歌にしてくれ、というようにまぜっかえしたわけであろう。
天皇と重臣のあいだの、うち解けて浮かれた気分が伝わってくるような情景である。


言霊の幸ふ国    

さかのぼって万葉集にも
「志貴島の日本(やまと)の国は事靈の佑(さき)はふ國ぞ福(さき)くありとぞ」 柿本人麻呂 (3254)
「そらみつ大和の國は 皇神(すめかみ)の嚴くしき國 言靈の幸ふ國と 語り繼ぎ言ひ繼がひけり」 山上憶良 (894)などの歌がある。
”言霊の幸ふ国”という自覚が古代の日本人にあった。
そしてこの感覚が、ところどころ、いまだ日本に残っている。 たとえば結婚式などでの忌み言葉も言霊の思想に基づくものと解釈されている。
また、どぎつい言葉を意識的に避け、重大な犯罪でも「世間をお騒がせして申し訳ない」などというような抑制的な物言いになるのもそのせいかもしれない。


文霊と諱    

一方、文字における言霊(ことだま)ということも当然のことながらあるわけで、漢字に関しても、もともと呪術的な目的があったというのが白川静氏や他の研究者の着目するところであった。
言霊の意味を、口に出して発声するところから生ずると限定してしまえば、これに対して漢字などの文字の呪術性は「文霊」(ぶんだま)と呼ぶべきであろうか。
中国人は正月など赤い紙に嘉祥を意味する文字を書いて幸運を祈願する風習があるが、他方歴史的には、呪いにかけられないように本名である諱は秘密にして、通常は仮の名前(通称、俗名、字)をつかう、という習慣があるのも文霊思想の影響といわれる。
日本語では諱を「いみな」(忌み名)というのは、他者の本名を使うことを避けるということからくるのであろう。

そこでさらに思い出させるのは「犯諱」の禁制だ。君主は臣下に対して生殺与奪の権利を有するが、それゆえに呪術をおそれ、その対処として出てきたのが、自分の諱(の字)の国内での使用を一切禁ずるこの制度であると思われる。
王が普遍的な文字を諱にしてしまうと、以後国民が使用できないことによる障害が広がるから、王の諱は、普通は使われない、判りにくい文字が選ばれる。

犯諱の禁は今はないが、歴史を学ぼうという人間は王の本名を覚えようとすると判りにくい文字に苦労することになる。歴史の勉強がつまらなくなるひとつの原因になっている可能性がある。
「犯諱の禁」はある時代以降、中国でも朝鮮でも厳重に守られたが、日本では原則的になかった。
日本の歴史上の支配者の名前は(多音節であることもあり)わかりやすい。日本人は歴史を語る点において中国人や韓国人にくらべて得意だし、好きなのではないだろうか。

文霊にくらべて、日本の言霊は音声が響きわたり、基本的に明るい気分がする。

2014年9月30日火曜日

「ソンビ精神」って何? 虚構とちがいますか?

時々、”朝鮮時代のソンビ”の精神というものを称揚する人が現れる。

   日本の学者「朝鮮のソンビ精神、円滑な社会的疎通に大きく寄与」
       2014年09月30日 中央日報
 
朝鮮(韓国)のソンビ精神(ソンビ=朝鮮時代に学識を持ちながら権力におもねず礼節を守った一部の士民階層、いわゆる清廉高潔な精神)は、社会が円滑に疎通するのに大きな役割を果たした。権力者だけでなく民衆とも息を合わせて合意を経ながら統一された世論形成を主導したのがソンビたちで、彼らが持つ哲学がまさにソンビ精神だ」。
  日本の片岡龍・東北大学准教授(49)は、ソンビ精神についてこのように評した。
  --ソンビ精神を定義するならば?

  「公共性が強い『統合の精神』と言える。・・・・・、社会が正常に回っていくためには合理的な精神とシステムが必要だ。ソンビ精神は社会が望ましく動くために必要な『社会的生命の源泉』と見ることができる。・・・・民衆の意見を上層に伝達していた・・・・・ソンビ精神は生命に対する愛を含んでいる。・・・・・




抽象的な賛美を連ねているが、具体例が見られない。
ソンビというのは「士人」のことのようだ。両班階層で官職につけていない連中のこと。日本的に言うならば江戸時代の”浪人”、あるいは現代の”受験浪人”か。 両班階層の95パーセントがソンビだ。 
  ところで”もののふの心”とか”武士道”という言葉はあるが”浪人精神”という言葉は聞いたことがない。 ソンビ精神などと言われても虚構のにおいが漂う。 
  このような、あやふやな言葉ではなく、両班意識とか両班根性と言い換えたほうがはるかに実質的だ。 そして両班根性とはどんなものであったかについては、いろいろな客観的な記述や証言がある。
 彼らは中国書記文化の達人をめざして(科挙の試験のために)経典の唱和・暗記、漢詩の修行に明け暮れ、労働を嫌った。土にまみれて働く庶民を蔑視していた。 かれらはそのような日々の生活にどれだけ充実感をもてていたのであろうか?

両班の半分は科挙の制度に縛りつけられた自分のこのような運命を呪っていたかも。

2014年8月26日火曜日

狼狽ゆえのリベラル__朝日新聞の言説の崩落

朝日新聞が30年以上維持してきた従軍慰安婦に関する報道姿勢を変更した。
暴力的に慰安婦狩りをした、という吉田清治の”自白”が虚偽だったと認めた。
要するに、吉田清治という男は日本のリベラル層に対する、嘘の自白ネタでの講演、出版ビジネスをしていたわけである。

朝日新聞への非難は強い。 『WiLL』編集長、花田紀凱などは次のように断罪する。
  吉田証言。こんなものは吉田の本が韓国で出版されるとすぐ、済州新聞の記者が地元で取材し、吉田の嘘を明らかに  している。朝日の記者よりよっぽど立派だ。
  慰安婦研究の第一人者ともいうべき、秦郁彦さんも自ら済州島に行って徹底取材し、吉田の嘘を立証している。
  本来なら朝日、この時点でちゃんと取材すべきだったのだ。
  ・・・・ 朝日の一連の慰安婦報道が、河野談話につながり、慰安婦像設置、性奴隷にまでつながるのだから、朝日の罪は重い。・・・・・・
  http://www.asyura2.com/14/senkyo169/msg/643.html

そして朝日新聞社内にも検証チームがあってずいぶん前から判っていたらしい。

リベラルであることが善であるという感覚は戦後日本の言論界の主流であり、その悪弊のひとつが自虐史観といわれるものだ。
嘘の自白であっても、軍国主義を批判するのであれば是とするという精神がどこかにあったのだろう。
韓国がなぜ反日なのかという問題を深く解明することもせず、とりあえず過去の日本軍を貶めておけばOKとばかりに反射的にリベラルサイドに立つ。全く周りが見えていない、このような思考、性向をどう評すればよいのだろう。
私はこれは一種の狼狽ではないかと思う。
狼狽する日本人。 このような局面は歴史認識の領域にかぎらず、いたるところにある。過去にも、現在にも、そして未来にも。(まあ、日本人にかぎったものでもないだろうが)

しかしこれでは、いけない。発想をかえ、視野を異次元に広げて、現象の底にひそむ本質を捕まえよう。

「産経新聞が虚偽の記事を書いた」という韓国の報道が虚偽なのではないか


韓国のマスメディア(など)がニュースの中で一斉に”虚偽報道”と騒ぎ立てている

「産経新聞が・・・・朴槿恵大統領に関する虚偽の記事を書いた事件」
  (朝鮮日報 2014/08/26)

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/08/26/2014082600616.html

産経新聞の韓国冒涜は度を越えた 
 同紙は3日、「朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会っていた?」という題名の電子版の記事で、朴大統領がセウォル号沈没事故発生当日、ある男性と密かに会い、その男性は朴大統領の補佐官で最近離婚したチョン・ユンフェ氏だったと報じた。
  (東亜日報  2014/ 08/11)
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2014081155588

検察が産経新聞の加藤達也ソウル支局長(48)を刑法上の名誉毀損容疑で起訴する方針を決めた。旅客船セウォル号沈没事故当日の今年4月16日、朴槿恵(パク・クネ)大統領が“秘線”に接触したという疑惑が事実ではないことが明らかになったという判断からだ。
  (中央日報 2014/08/26 )
http://japanese.joins.com/article/288/189288.html?servcode=A00&sectcode=A10&cloc=jp|main|top_news


などと報じているが、虚偽にあたる部分はない。
産経の記事は7月18日の朝鮮日報の「大統領をめぐるウワサ」という記者コラムその他を紹介して最後に「朴政権のレームダック(死に体)化は、着実に進んでいるようだ」と批評しているだけだと考える。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140803/kor14080312000001-n7.htm

たとえ朝鮮日報の記者コラムの内容が虚偽だったとしても、"このような朝鮮日報の記事がある。"という産経の記事自体は全くの事実である。
真実を書いていても産経の記事は名誉毀損に該当する、と主張するつもりなのだろうか?
そうであるならば弾圧される対象は元の朝鮮日報の記者であるはずだが・・・・。

"産経の記事は本当に朝鮮日報の記者コラムを紹介しているだけなのか?"という疑問をもつ人のために改めて確認する。
産経は引用部分をカギ括弧で示している。
以下のカギ括弧の中は色の違う2箇所を除けば朝鮮日報のコラムの内容だ。

  「金室長が『私は分からない』といったのは大統領を守るためだっただろう。しかし、これは、隠すべき大統領のスケジュールがあったものと解釈されている。世間では『大統領は当日、あるところで“秘線”とともにいた』というウワサが作られた」。
  「大統領をめぐるウワサは少し前、証券街の情報誌やタブロイド版の週刊誌に登場した」
  「良識のある人」は、「口に出すことすら自らの品格を下げることになってしまうと考える」
  「ウワサはすでに韓国のインターネットなどからは消え、読むことができない」(証券筋)
  「そんな感じで(低俗なものとして)扱われてきたウワサが、私的な席でも単なる雑談ではない“ニュース格”で扱われているのである」
  「ちょうどよく、ウワサの人物であるチョン・ユンフェ氏の離婚の事実までが確認され、ウワサはさらにドラマティックになった」
  「朴氏との緊密な関係がウワサになったのは、チョン氏ではなく、その岳父のチェ牧師の方だ」という(政界筋)見方もある。
  チョン氏が最近応じたメディアのインタビューで、「『政府が公式に私の利権に介入したこと、(朴槿恵大統領の実弟の)朴志晩(パク・チマン)氏を尾行した疑惑、(朴大統領の)秘線活動など、全てを調査しろ』と大声で叫んだ」
  「世間の人々は真偽のほどはさておき、このような状況を大統領と関連付けて考えている。過去であれば、大統領の支持勢力が烈火のごとく激怒していただろう。支持者以外も『言及する価値すらない』と見向きもしなかった。しかし、現在はそんな理性的な判断が崩れ落ちたようだ。国政運営で高い支持を維持しているのであれば、ウワサが立つこともないだろう。大統領個人への信頼が崩れ、あらゆるウワサが出てきているのである

 そして最後に"朴政権のレームダック(死に体)化は、着実に進んでいるようだ"と産経の記者の評価をのせて締めくくっている。

 みてわかるように、キーワード は”ウワサ”という記号である。朝鮮日報は間接表現、あいまい表現、比喩表現など”ウワサ”の意味を紛らわしくするベールを幾重にもかぶせたつもりだったろうが、産経は若干の補助線を引いて、あっさりとベールを剥ぎ取ったようだ。
 しかし、一体どこが虚偽だというのだろう? 公然たるウワサだったのに。
現職大統領に対する報道の自由が大きく制限されている韓国の社会風土のなかで産経は朝鮮日報の背中を押してあげたのだから感謝されてもよいはずだ。

2014年6月1日日曜日

韓国の反日の理由の一部

韓国の反日の原因はひとつではなく5~6個あると考える。このうち一般的な認識が薄いとと思われる、2点を指摘したい。

* 儒教的な歴史認識
ひとつは、韓国の儒教文化における歴史観。儒教文化の国は前王朝を道徳的に徹底的に貶めることによって(怪しげな)現王朝の正当性を高めるという特徴を持っている。
韓国にとっての”前王朝”は日帝時代であるから、道徳的な意味で徹底攻撃する。
未だ消え残る韓国人のこの不幸な習性は現在の大統領の交代時にも繰り返し見られる。
盧武鉉は徹底攻撃され始めたら、自殺という出口を選んだ。

* 国民の文化的アイデンティティの弱さ
もうひとつの原因は韓国という国の文化的アイデンティティの弱さ。このことが意識的に、あるいは無意識的に現在の韓国人を苦しめている。
韓国は前項にも指摘したが、儒教文化の強い影響を受けた。しかし、これはもともと中国の文化だ。
韓国、ならびに北朝鮮は中国の文化の影響を拭い去ろうと、漢字を廃止(しようと)したが、すると儒教文化も捨てることになる。
だが、実際には儒教文化の大きな残滓はいたるところにあり、韓国人はその中にある。

もうひとつ、文化的アイデンティティの弱さの具体例をあげると、韓国の夫婦別姓の制度がある。韓国人も日本人もこれは韓国固有の制度と思われているが、これは間違い
夫婦別姓となったのは1909年に統監府が押し付けた戸籍法によって制度化されたものであって、日帝残滓に他ならない。
それ以前には朝鮮の女性は(幼名を除いて)名前がなく、社会的な人格は認められていなかった。
なぜ日本と同じ夫婦同姓とならなかったかといえば、朝鮮の場合、一夫一婦制が乱れていて、一夫多妾、一妾多夫が横行していた。
夫婦別姓という形式をとることによって一夫一婦制の乱れを糊塗することができる。(実は日本でも大名家などは側室がいることが普通であったから、明治になって夫婦別姓を真剣に検討したこともあったらしい)
日帝が短期的な社会改革(身分制度の廃止など)の実行を目的として、拙速に現実と妥協したのが夫婦別姓という現在まで続くこの制度である。
この、”文化的アイデンティティの弱さ”がなぜ反日につながるかといえば、ひとつの神話を作り出そうというモーメントが働くからだと考えている。
つまり、”自分たちは独自な文化を持っていたが、日本にそれを奪われたのだ”という神話である。
韓国の文化人、歴史家たちの言動を観察すればその兆候をみてとることは容易のはずだ。

2014年4月27日日曜日

景福宮は朝鮮最大の厄物

韓国を訪問したオバマ大統領がソウルのメインの王宮である景福宮をプライベートで訪ねた。
景福宮についての韓国人の説明の部分が目に付いた。

韓国外国語大学のパク・サンミ教授は景福宮を案内しながらオバマ大統領に、「朝鮮の王は常に倹約と節制を実践し・・・・・」と話したという(2014年04月27日_韓国_中央日報)
http://japanese.joins.com/article/684/184684.html?servcode=A00&sectcode=A20&cloc=jp|main|top_news

なぜこのようなことを言ったかというと、この教授は「景福宮が北京の紫禁城や東京の皇居に比べ規模が小さく見える可能性を意識」(中央日報)したためらしい。

しかし、当時の事情はまったく逆で、大院君による景福宮の再建当時は国力を超えた過大な事業であった。
税負担が重くのしかかり、諸物価は暴騰し、民の生活が破壊されてしまったという。

民衆の怨嗟は膨らみ、王家は叛乱の不安に苛まれたという。


「朝鮮の民衆にとって景福宮は最大の厄物であった」という評価が正しい。”景福宮は王家の倹約とつつましさの現われ”というのは事実と正反対の主張だ。

景福宮に関しては、最近再建された興礼門とその壁面に関して、改変をしたなど、いろいろ物議となる点が残っている。
興礼門の壁面の改変、そして今回のパク教授の発言から私が感じることは、現代の韓国人は朝鮮時代とその文化を尊重するかのように装ってはいるものの、心のそこでは軽蔑していて恥じてさえいる、のではないかということである。

2014年3月31日月曜日

ところで習近平はナチスドイツに・・・・

中国の習近平国家主席は(2014/03/)29日、ドイツで「日本軍国主義は第2次世界大戦で南京を侵略し、30万人以上の軍人や市民を殺害する前代未聞の惨状を引き起こした」と反日スピーチを行った。
中国も韓国式の”歴史認識_戦術”をとり入れだしたとみるべきなのだろうか。

韓国式の”歴史認識_戦術”は朝鮮時代の党派の争いと似た部分があって、事実の連なりを一面的にしか理解しようとしない。
私は事実の連なり(歴史)は多面的に理解すべきだと思う。そうでなければ、朝鮮の党派の争いがそうであったように、怨念と陰謀と諸々よこしまな行いを、形而上学的な美辞麗句で包むようなことになるであろう。

歴史には、不条理ともいうべき要素や不都合な要素に満ちている。南京事件に関する習近平のスピーチの報道を聞いたときに、ふと連想的に思ったのは、習近平はナチスドイツに敬意を示したのであろうか?ということである。

南京事件の当事者は日本軍と蒋介石軍そして南京近辺の中国人民衆であるが当時、蒋介石軍と同盟していたのはナチスドイツであった。
南京と上海の間に網の目のように張り巡らされていましたトーチカ要塞線( ゼークトライン )は国民党の軍事顧問であるナチスドイツ将校らによって設営されたものであった。ナチスドイツにとって中国の蒋介石はスペインのフランコと同様の存在であった。
南京包囲戦で日本軍と戦ったのはナチスドイツによって訓練された蒋介石の部隊だったのだ。
また、日本軍が南京城を突破したあと、ナチス党南京支部副支部長ジョン・ラーベはナチス旗ハーケンクロイツを掲げ、避難してきた中国人(602人)を匿ったといわれている。
本来ならば、習近平は中国人を匿ったナチス党員に対する感謝の言葉も添えなければならないところだ。(しかしそのようなことにはならないと私は予想する。現在の両国の”歴史認識”においては都合がよくない部分である)

南京を逃れた蒋介石は「日本軍は民間人を10万人以上虐殺している」と戦時宣伝を行い国際社会に支援を訴えたが、南京にとどまっていたドイツ人(ジョン・ラーベだったと思うが)は、「その数字はいくらなんでも大げさだ」という感想を残している

2014年2月1日土曜日

いまさらマルクス主義を学習してどうしようというのか__中国の思想政策

1 ひとつの茶番

中国の新しい政策として、「メディア関係者に対するマルクス主義の学習(再学習)」というのが出てきた。
全国の新聞やテレビ、通信社、雑誌などの記者25万人にマルクス主義などを学ぶ研修を義務付け、今年(2014年)1月から2月にかけて、統一の免許更新試験を実施するそうだ。
”プロレタリア独裁”とか”階級闘争史観”とかのお題目を忘れないようにしようということなのだろう。

むき出しの拝金主義(すなわち品格の無い資本主義)が闊歩する中国の現実を知っている一人の日本人からすれば、そらぞらしい茶番だをという気がする。

言葉というのは便利なもので”特殊な社会主義”だの”独自の発展形態”だのといった文言を並べれば現在の中国をマルクス主義的に位置づけ、合理化できると思っているのであろうか。 

そういえば最近は”権威主義体制”などという言葉もあって、現在の中国をそう呼び、分類するひとがいる。しかし、そのように分類したからといってどのような将来予測ができるというのであろうか。できないと私は思う。

マルクスは、生産力の発展にともなって各段階ごとの”階級闘争”が起こると説明し、これは科学であると主張した。当事者各個人がどのように考え、立ち回ろうと制御できない法則であるとした。つまり、”存在が意識を決定する”というわけである。

中国共産党の弁明によれば、中国が高度資本主義を経て社会主義に到達したのではなく,逆にそれを「飛び超えて」半植民地・半封建社会から一挙に社会主義にまでつき進んでしまったために、社会主義体制の中で高度資本主義を実現する必要があり、そのような実践をおこなっている、と言う。つまり例外的な発展段階というわけだ。
 しかし ロシアや東欧、キューバ、モンゴル、ベトナム、などどの国をとっても高度資本主義→社会主義というパターンにあてはまるものはない。
例外しか存在しない法則は法則とは言わないだろう。マルクス・エンゲルスの歴史観は既に死んでいる


2 軍閥体制という歴史形態

共産主義的構図を中国に適用するならば、封建社会→半植民地・半封建社会→初期資本主義(孫文、蒋介石)→初期社会主義(毛沢東)→初期社会主義+高度資本主義(鄧小平、江沢民、胡錦濤)→(高度)社会主義???などといった複雑で錯綜したものとなるであろう。
しかも、現在の”初期社会主義+高度資本主義”というヌエ的な体制が延々と続きそうである。もはや訳がわからない。

社会主義という概念や言葉を無視して考えてみよう。
まず台湾を例にして考えると
 ①台湾島 封建社会(清国)→半植民地的資本主義(日帝)→
 {②大陸  封建社会(清国)→軍閥体制(袁世凱、孫文)}
  国民党軍閥体制(蒋介石)→資本主義(李登輝)となるであろう。
軍閥体制というのは過渡期の政治形態といえる。国民党軍閥体制の終焉は民主的な選挙で政権が形成されることにおいて確認される。このような図式はそれほど抵抗なく理解してもらえるはずである。

この図式を中国に応用するとどうなるか 
封建社会→半植民地・半封建社会→地域軍閥体制(袁世凱、孫文、張作霖、蒋介石)→共産党軍閥体制(毛沢東)→共産党軍閥体制+高度資本主義(鄧小平、江沢民、胡錦濤)
 中国の現在の政治体制は軍閥体制を潜り抜けて形成されたものであり、いまだにその基礎のうえにある、といえるのではないだろうか。

一体、軍閥体制とは何であろうか。軍権(軍を掌握することによって生ずる権力)を敬い、そのことが政権の安定性と”正当性”を担保する。軍権と富はリンクしていなければならない。
現在の中国各地で軍の現役幹部が都市開発の采配を振るう場合があるように、経済利権に関与することが軍人の重要な職務であることは北朝鮮のみならず、中国においても同様である。


3 軍閥体制のイデオロギー

以上のような認識に則って何年か前「中国を社会主義という概念で理解することに実質はなく、共産党軍閥体制という特殊な軍閥政治として理解すべきである」と主張したが、そのときは何の反響もなかった。
 果たして現時点ではどうであろうか。
ともあれ軍閥体制というのは、やはり過渡期の政治形態と考えられるが、台湾のように解消されることが大陸で起こらないのはなぜだろうか。
それは共産党という存在と彼らの観念(社会主義)がそれを阻むからだ。かれらの意識とその政治体制、そしてそのことによる富の偏在という現実が、複数政党の政権交代を想定する議会制民主主義システムと相性が悪いことは明らかなことである。

マルクスは”存在が意識を規定する”と言った。私はマルクス主義者ではなく、”存在が意識を規定することもあるが、意識や観念が存在を差配することもあるし、並立もする”と考えている。

毛沢東の時代は階級闘争史観という観念が現実を差配した面が強いと思う。しかし、膨大な流血と悲劇をへて、軍閥体制という土台が存在価値を発揮し、制度が固定化され、その後にこの制度システムに奉仕するような観念やイデオロギーが作られている。
”日本は戦後の秩序を覆そうとしている”などという最近の主張はその一端であるとも言えると思う。
中国軍部にとって(軍備費増強につながるような)有益な歴史認識や主張は今後もどしどし発信されるであろう。
不幸なことに韓国がそのようなプロパガンダに組しているという面もある。

これに対して必要とされるのは、われわれのどのような態度であろうか。 無視したり、無言を貫くのはよくない。
単なる反論”日本は戦後の秩序を覆そうとしてはいない。事実ではない”などというのはどうだろうか。
役人的世界ではこのようなパターンも止むをえないのかもしれない。
しかし、これでは、日本は永久に被告席に立たされる続けることになる。そのうち我慢の限界に達してしまう危険性がある。

望まれる対応は、韓国や中国がこのような言辞を使うのは彼らの側に~~のような構造があることが原因である、という論理的な主張をすることであろう。
客観性を備えて、より本質的な主張を展開し、第三者も韓国人も中国人もなるほどと受け入れざるを得ないような強力な主張こそが必要だ。

もし韓国人が漢字を読めたならば

数日前、GoKorea という日韓交流サイトに簡単な投稿をした

http://www.gokorea.jp/trans_bulletin/forum_list_view.html?uid=28159&fid=28159&thread=1000000&idx=5&page=1&sort=&skeyword=&tb=transCulture1&order=fid
{作成者=miyagase(私のハンドルネーム)}
{ 作成時間 : 2014-01-26 02:39 }
 {ヒット件数 : 118}
{タイトル} もし韓国人が漢字を読めたならば、ずいぶんと違うのだろうが・・・・

{本文}
韓国側の投稿には荒唐無稽な内容が多いと思う。
その理由のひとつが、韓国人が漢字を読めないことにあるような気がする。

一般の韓国人は歴史の勉強をしない。歴史の教科書には漢字が多く使われている(固有名詞には漢字が必要だ)から。
では彼らの知識はどこから来ているのだろうか。雑誌の記事や、子供向けのパンフレット的なもの。ファンタジー満載のテレビドラマなどからだろう。
要するにプロパガンダと質的にかわらない。
とても残念なことだ。
日本側から数件のコメントが寄せられた。韓国側からはコメントがなかった。
 boomer 2014-01-26 03:21
韓国社会は「出来の悪い伝言GAME社会」。「女子挺身隊(慰安婦とは全く無関係)は推定20万人」という話が、妄想に妄想が加わって伝言された結果、「韓国人慰安婦が20万人」という話に大変身ww

 wajin   2014-01-26 12:25
韓国人はまず思いついたことを列挙する。それを前提に理屈を組み立てようとする。しかし、思いついたことの検証が出来ていないためその後の理屈を並べて結論を述べても、前提が否定されれば結論も肯定されないということが韓国人にはわからない。前提が否定されても結論を根拠に喋りだす。

 mazinboo97 2014-01-26 18:15
漢字が読めても結果は変わらないと思うよ。どのみち、反日のためなら捏造すら厭わないのだから^^

 kobamasa  2014-01-26 22:10
日本人には韓国の主張する捏造歴史を直視することができない。ただ、パク大統領が変わる以外に韓国が日本に支援を申し込む事もできない。不幸な時期に不幸な大統領を選出した罪は韓国人全体でカバーしないといけないのが、さらに不幸


 時間帯がずれていたのでこれらのコメントへの返事はできなかったが、いつか彼らと意見を交わしてみたいと思った。