2013年6月25日火曜日

朝鮮の族譜に女性がどう書かれていた

「オンドル夜話」の著者 尹学準氏は慶州北道安東郡で生まれた古いふるいヤンバンの末流の小宗孫で、法政大教授。朝鮮文学などを専門にした。
2003年1月に東京で死去。享年69歳。

以下は本当の族譜に女性がどう書かれていたかがわかるくだりだ。

--(1970年代末に、作成されたばかりの分厚い「坡平尹氏九房派」族譜が送られてきた)--

私はこの族譜のことで我が家の女どもから猛烈な糾弾を受けた。・・・・そこには我が家の二人の娘の名前が載っていない。・・・・族譜は徹底した男系中心・女系無視の記録だから。

それでは女はまったく記載されていないかというと、そうではない。たとえば小生の項だとこう書かれている。長男だから父の名前の真下に

子学準。 字建相 壬申二月六日生、 配安東金氏

__と。 「建相」という当の本人も知らない字がついているのには驚いたが、要するに1932年の陰暦2月6日に生まれ、安東金氏の女房を娶った男がこの私であるというわけだ。
この場合、女房には人格がない。あくまでも本貫が安東の金氏の家から来たということですまされる。人格がないから名がないのはいうまでもないが、生年月日さえ記されていない。ただ、死んだ後だと死亡年月日と墓の所在地が記される・・・・


・・・・・
妻の項について今少し述べると、私の場合は日本にいて資料がわたらなかったから省略されたのだろうが、本来なら妻の父親の名が記載される。それどころか、妻の祖父や外祖父に偉い人がいると、その名も官名とともに記録されるのである。男系中心・家柄本位もここまで徹すると見事というほかない。
また、私には女のきょうだいがないからあげられないが、父には一人の姉と妹がいる。私の姑母(オバ)たちだ。彼女らの記録はこうなっている。たとえば父の姉の項は

女李源伯 真城人 父趾鎬 子東成 東三
となっている。
読み方は女は本貫が真城の李趾鎬の子である李源伯なる男に嫁いでおり、 東成 東三を産んだということだ。
姑母は実は二人の男の他に女の子もふたり産んでいるが、もちろん女だから載っていない。


 


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